「やぁやぁ、よくぞ来られましたな!『幹部』様!」
「我らが街、『パラディソ』は非常~に治安が悪い都市でございまして、
タチの悪いギャングや狡猾なマフィアが牛耳る、所謂、『犯罪都市』でございます。
『あの御方』の招待状はお忘れでないですかな?それが身分証明となりますゆえ」
「さてさて、これから大事な大事な『話し合い』がありますので、
まずは私めの行きつけ、BAR【Requiem】に参りましょう!!えぇ、ご安心を」
あなたは胡散臭い男に連れられて、場末のBARへとたどり着く。
一見して質素。だがどこかこの街に似つかわしくない清潔感と空気を感じた。
店主は目して語らず、あなたを一瞥して、琥珀色のボトルを取り出し、
流れるような所作で、音もなくカクテルが差し出された。
そっと口をつけると、「……美味い」と心の声が漏れた。
「ここは先代も愛した店ですからな…喜んで頂ければ幸いですよ」
胡散臭い男だったが、彼なりの情と礼を感じ取り、警戒が緩む。
「……さて、そろそろ本題に参りたいと思います」
……【手紙】が届いた時点で察していた。
そこに添えられたカードはあなたの内心を表す1枚だった。
全ては偉大なる彼の手のひらの上だと感じさせられた。今までは。
「お時間でございます。他の方は既に奥に」
男がそう言って本棚から一冊の本を倒すと、静かに隠された通路が開いた。
「いってらっしゃいませ」
寡黙な店主が静かに、頭を下げていた。
8人の幹部がそこに居た。互いに面識はない。この組織では誰もが素性を知らない。
若いギャングのような身なりをする者、伝統を重んじるマフィアとして佇む者、
泣きながら怯えている、おおよそ幹部とは思えない者も混ざっていた。
しかし、何らかの理由で彼らはこの組織の幹部なのだろう。ここに居る限り。
「あなたがたの中にボスを殺した裏切者が居ります。ですが、
我々は伝統に則り、それでもなお次のボスを決めなければなりません」
胡散臭い男から古びたカードが配られる。きっと仕組まれているだろう、最初の手札。
「単なるゲームでございます。勝利者は我らが愛するボスとなり、
ここで死ねば、敗北者として死ぬ。ただ、それだけでございます」